ブッシュ大統領

デビッド・ケイ氏の「イラク大量破壊兵器疑惑は間違いだった*1」という発言に対して(かなり多くの人がやっぱりそうでしょう、と思っていた、と思うのだが)それ以来、TVは「英米両政府も大量破壊兵器疑惑は眉唾モン」と分かっていたらしいという特集などを流している。
ブッシュ大統領が自国民や世界を欺いてまでイラクを攻撃した理由は、石油の利権や自身の政治的な立場の利益やらがあったのだとして、しかし、それだけの理由で何十万の軍隊を動かし、世界をもけしかけるなんて、少なくともあたしは信じられず、たぶん米政権は「中東に民主化をもたらさなければテロが増える。ここが踏ん切りどきだ。」という短絡的で錯覚に満ち理想主義的な決意を恐怖にせき立てられように性急に為してしまったのではないかと想像するのだ。
ブッシュは演説で「わたしは国民の安全のためにイラクを攻撃することを選んだ」と弁明していたが、正当な理由もなく主権国家武力行使をすることは国際法違反であり、倫理性のかけらもないが、理想の実現を志向するという意味で合理的な判断は、彼にとっては道徳的目的となり、政治家としての己自身と容易に折り合いをつけられたことだろう。