2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

物語と物語と/「光市母子殺人事件」

あたしは「裁判って、物語と物語の対決なんだ!」と思うのである。「光市母子殺人事件」について安田弁護士側の言い分を見たり読んだりするにつけ、つくづく、弁護側の物語と検事側の物語の対決なんじゃないか、とおもえてくる。だって、殺意があったかどう…

『民主主義という錯覚』の中の「公」/感想じゃなくて連想(5)

あたしは物語をつくる。 例えば、ソクラテスはどうして毒をあおったんだろ?ソクラテスにとっての社会とか法ってなんだったんだろう? 例えば、クリント・イーストウッドの詩的な映画「硫黄島からの手紙」*1で、天皇万歳と言って死んでいった兵士には、個人…

『民主主義という錯覚』(薬師院仁志)(4)

「タイトルがダメだよねえ」と、R*1と言い合う。 息子たちが中学生か高校生のときに読ませたかった、と強く思ったあたしは、Rにamazonから送ったんだ。先日、Rに感想を聞いた。Rは高校生のとき共和制と民主主義の違いが分からなくて社会科の教師に何回も聞い…

「女王の教室」「大いなる陰謀」

DVD

「女王の教室」you tubeで面白いドラマを探していて、そだそだ「女王の教室」ってのがあったな、と思いだし、第一話を見る。えーっ!えーっ!むちゃくちゃ面白い!(ツタヤに直行でっす)。はじめ、まや教師の正論に惚れて、4本、5本と見ていくウチには、…

『民主主義という錯覚』(薬師院仁志)(3)

メモの続き; 法治国家の本源である社会契約と普通選挙。議会制度は貴族政である、とルソーは言う。 人民が自分に代わって統治する指導者(シェフ)たちを持っているならば、その指導者にどんな名が冠せられようとも、そこにあるのは貴族政であることに何ら…

『民主主義という錯覚』(薬師院仁志)(2)

印象的な部分をメモ; 日本の憲法がアメリカの憲法とは違うタイプであるということは聞いたことがあっても、実際の所はワケワカッテネーあたしにとってこの本は宝物状態。まず、憲法とはなんだろう?著者は人権についてこう説明する。 だが、16世紀の半ば…

『民主主義という錯覚』(薬師院仁志)(1)

なんというか、こんなに面白い本を読んだのはひさびさだ。サルコジが大統領になったというニュースを見て、「そっか、ヨーロッパの社会主義的(ソシアル)な方針はやっぱアメリカの新自由主義にやられるのかあ」とあたしはおもったりしていたのだけど、それ…

「ライセンス・トゥ・キル」「天然コケッコー」

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「ライセンス・トゥ・キル」ただただ、裁判官の判決の言葉がうつくしい。アメリカという多民族国家の統合の象徴としての憲法、その憲法に対する誇り、と、言っちまえば陳腐ですが、まあ、やはり、その「誇り」ってやつにはいつだってあたしは感動なのです。 …

「四日間の奇蹟」

DVD

ネタバレあり; 吉岡秀隆さんが「四日間の奇蹟」について話している。曰く、「これは片翼の天使の話し。敬輔は将来は千織ちゃんと結婚するのかもしれない。」 あれま。なんてこった。彼の言葉でこの映画の不可思議なところがすっかり氷解。敬輔が大事なのは…