『Nの肖像』仲正昌樹

仲正氏にとって「統一教会とはなんだったのか」、教会で過ごした日々を振り返りながら、語られてゆく。彼が言う「実存的不安」、「司牧権力」と「承認」問題は、切実な人も多かろうなあ。この枠組みで言うと、わたしはあのとき恋愛に逃げたんだな、と読みな…

『思考停止社会』(郷原信郎)

書いてたものが全部消えた・・。てやんでぇー、ばかやろぉ・・。 この前、朝生TVを見ていたら、郷原という人が、小沢氏の秘書逮捕について、「異常な事件だ」と言っており、それが興味深かったので、この本を読んでみる。 元々、わたしは、ライブドアの堀江…

『あなたの苦手な彼女について』(橋本治)

昔、『ぼくたちの近代史』を読んで、どうにも嫌な気分になって、確かに橋本氏の本は面白いんだけど、その女嫌いはご免被りたい、とおもい、どんなに面白そうで評判になった本でも彼の本は読まなかったのに、これに手を出してしまった・・。この本でターゲッ…

『グーグーだって猫である(3)』

『グーグーだって猫である(3)』は名作。だってことをメモっておこうとおもってずっと忘れてた。もう、1.2年はたっちゃったよ・・。 (3)だけ読むより(重複しているところもあるからなんなんだけど)、やっぱ、(1)と(2)を読んでからのほうが話…

「すべての経済はバブルに通じる」(小幡績)

面白い。 サブプライムローンの証券化に代表されるような(実体経済から遊離した)金融資本主義?について、骨太の骨格(仕組み)を概念的に説明してくれているので、分かった気になる。 もちろん2007年のサブプライムショックの仕組みについて、くわし…

「できそこないの男たち」(福岡伸一)

[本]面白かった! 彼の本は2冊目なのだけど、なんというか・・生物学という科学は寄る辺ないんだなあ。 [あくび]今年のお正月は忙しかった。手抜きしなかったし。 美味しいドイツパンのレシピをみっけ。(http://www.geocities.co.jp/foodpia/6377/Index/mo…

「集中講義!アメリカ現代思想」(仲正昌樹)

掃除をしながら(よくもこれだけ手抜きをしていたもんだと我ながらあきれてしまう)少しずつ読み進んだ。 「アメリカ」は、文化的アイデンティティや価値観の多様性を保持したまま、公共空間において市民として自由に振る舞うことの出来る、「自由な憲法体制…

「生きづらさ」について(雨宮処凛・萱野稔人)

衝撃を受けました・・茫然。 わたしは、貧乏を知っていますが、この本に書かれているような貧困というものをまったく知らない・・。わたし自身、何処にも属していない感があるのだけれど、それはあくまで内面的なことであって、処凛さんがおっしゃっているよ…

暗い時代の人間性について(ハンナ・アーレント)

わたしは何故「多元性が平等と相容れない」という文言に混乱したのか?この本を読んでなんとかそのへんに道筋をつけたいわけです。私の住む地方では、アイヌ人は先住民族であるとして、その権利を主張する動きがある。わたしは子どもの頃、アイヌ人のアニミ…

『日本の現代思想』(仲正昌樹)

最初にこれを読めば良かったよ。( 。・・。)朝、インスタントコーヒーを飲みながら、「随分と薄いなあ」と思っていて、ふと、マグカップをのぞき込むと、そこにはたんなるお湯がはいっていた。そういえば、エッシャー(19日分)の生涯展も、記号とその文脈的演…

『思想の死相』(仲正昌樹)

面白かった。ドゥルシラ・コーネルのお話がとても印象的。例えば、仕事は、目的に向かって生き生きしなきゃ、できるものも出来なくなってしまう。そして押し寄せる(ノウハウに対する)考え方の転換。(超越的な)理念=目的の裏側には欲望が張り付いている…

『ポスト消費社会のゆくえ』『日常・共同体・アイロニー』『民主主義という錯覚』

昔、中内功氏がNHKのインタビュー番組に出ていて、ダイエー失敗の原因を聞かれ、「官僚体質になってしまったことでしょうねえ。」と答えていた。成功したシステムが柔軟性を失い、社員の創造性が失われていってしまった、というような意味ではないかと思う。…

「アヒルと鴨のコインロッカー」/と意味の廃墟

仲正昌樹氏の『自由は定義できるか』という本を読みながらこの映画を思い出す。(昨日のエントリーの続き)。ネタバレあり; 日本語が拙いブータン人の話し方を抜きにすれば、面白い映画。で、この映画は、復讐のお話なんだけど、一切が私的で(そこがものす…

『なぜ「話」は通じないのか』(仲正昌樹)

ん・・まあ、「こーゆうふうなことに気をつけなさいよ」ってことが書いてある本。最初のほうは、論壇とかの話しなので、笑ってたんだけど、だんだん、ネット界隈のはなしになって、小石があたしにもボンボン当たるわけで・・イタッ、イタッ、って。『自由は…

『自由は定義できるか』(仲正昌樹)

良い本。十数年前に「自由ってなんだ?」と考え込んだことがある。読みながら子どもが小中学生だった頃のことをあれこれ思い出していたんだけど、なんと言っても「自由」のことを考えたのは、「子育て」のせいだったから。 ウチの子どもはゆとり教育世代で、…

『宗教化する現代思想』『プライバシーの哲学』(仲正昌樹)

「宗教化する現代思想」仲正昌樹氏の本は前に数冊読んでいて、「あえて暫定的に語らずにおれない(んだろう)学者たちに厳しいんだなあ」と思っていたのだ。で、わたしは読みながら「わかるけど、でも・・」と呟いておりました。ところが、最後のほうへきて…

『民主主義という錯覚』の中の「公」/感想じゃなくて連想(5)

あたしは物語をつくる。 例えば、ソクラテスはどうして毒をあおったんだろ?ソクラテスにとっての社会とか法ってなんだったんだろう? 例えば、クリント・イーストウッドの詩的な映画「硫黄島からの手紙」*1で、天皇万歳と言って死んでいった兵士には、個人…

『民主主義という錯覚』(薬師院仁志)(4)

「タイトルがダメだよねえ」と、R*1と言い合う。 息子たちが中学生か高校生のときに読ませたかった、と強く思ったあたしは、Rにamazonから送ったんだ。先日、Rに感想を聞いた。Rは高校生のとき共和制と民主主義の違いが分からなくて社会科の教師に何回も聞い…

『民主主義という錯覚』(薬師院仁志)(3)

メモの続き; 法治国家の本源である社会契約と普通選挙。議会制度は貴族政である、とルソーは言う。 人民が自分に代わって統治する指導者(シェフ)たちを持っているならば、その指導者にどんな名が冠せられようとも、そこにあるのは貴族政であることに何ら…

『民主主義という錯覚』(薬師院仁志)(2)

印象的な部分をメモ; 日本の憲法がアメリカの憲法とは違うタイプであるということは聞いたことがあっても、実際の所はワケワカッテネーあたしにとってこの本は宝物状態。まず、憲法とはなんだろう?著者は人権についてこう説明する。 だが、16世紀の半ば…

『民主主義という錯覚』(薬師院仁志)(1)

なんというか、こんなに面白い本を読んだのはひさびさだ。サルコジが大統領になったというニュースを見て、「そっか、ヨーロッパの社会主義的(ソシアル)な方針はやっぱアメリカの新自由主義にやられるのかあ」とあたしはおもったりしていたのだけど、それ…

『貧困の文化―メキシコの“五つの家族”』オスカールイス

なんだか、頭が痛くなってくるんだ。今読んでいる途中なんだけど・・。昔、「サタデーナイトフィーバー」というビデオを見た。見ながら漠然と、あたしは、このあたしの(貧困な)文化圏の中で一生、生きるんだな、とおもったっけ。

『生物と無生物のあいだ』(福岡伸一著)

帰省中のRが「これおもしろいよ」と渡してくれた。道中に読んだそうだ。マンガ以外の本を借してもらうのは始めて・・。 で、面白かった!シュレーディンガーは「生命がエントロピー増大の法則に抗して、秩序を構築できる」のは何故かと問うた。わーお!ぞく…

「明るい部屋」

「2008-01-21」に触発されて、ロラン・バルトの『明るい部屋』という本を読んだ。彼の本を始めて読んだ。・・のだが、なんというか・・身を翻そう、翻そうとする、というか、中心化を避けて、というか、脱構築というか、の文章を読んだわけで、記号学も知ら…

『秋の日は釣瓶落とし』岡崎京子

1992年、雑誌に発表された作品の単行本化。 もう15年も前になるんだなあ、その頃はまだ多くの女性が専業主婦してたはず・・?ほとんど、(核家族ってやつで妻は専業主婦、夫は猛烈サラリーマン)の末期頃?(むかしやっていた)向田邦子原作のTVドラマ…

『社会』(市野川容孝)(3)

まったく読み進んではいないんだけど、(2)の続き。個々人が「気っ風のよい生き方をしようと、どんな信念を持って生きようと、それは個人的なもので徹底的に自由じゃないの? その「自由」と政治的な「平等主義みたいなもの」がぶつかり合わねばならない・…

kujira

もどかしき恋の日々 (ガールズポップコレクション) 真面目な本を読むってモードじゃなかったので手に取ったんだけど・・なんだかの賞の候補になったとか帯がついてたんだ。レジカウンターに持っていったら、店員さんが盗難防止のカードかなんかを探しますか…

『社会』(市野川容孝)(2)

ニーチェのあたりまで読んだところで、父にかかりっきりになっていた。忘れかけてっのでとり敢えず、メモ。 なんつうかなあ、著者がニーチェを「社会的なものの最大の敵」として叩きたい、とゆうのはルクセンブルク的な福祉国家?(かどうかはまだ読み終わっ…

『社会』(市野川容孝)

少し読んでみたけど、この本、おもしろーい! でも、なかなか読書モードに切り替わらず・・。 TVを見ながらぼんやりしていること多し。つかれてるべー・・おいら。 .

『快適生活研究』(金井美恵子)

アキ子さんからはとおーく離れていたい・・・とおもって読んでいたのだけど、だんだん、彼女の手紙が楽しみになってきてページをめくる。だはは。 ・