『思考停止社会』(郷原信郎)

思考停止社会~「遵守」に蝕まれる日本 (講談社現代新書)
書いてたものが全部消えた・・。てやんでぇー、ばかやろぉ・・。
この前、朝生TVを見ていたら、郷原という人が、小沢氏の秘書逮捕について、「異常な事件だ」と言っており、それが興味深かったので、この本を読んでみる。
元々、わたしは、ライブドアの堀江氏や村上ファンドの村上氏の事件以来、特捜検察とかいうところは、社会の倫理を司る神様にでもなったつもりなのかしらと、怪しんでいたのだけど、この本を読んで、連想するに、逆に、行政の体制が民主化されたってことなんじゃないかと思ったんである。
つまり、かつては、検事達が必死に捜査していた事件に、上から待ったがかかたりして(それは、ドラマなどでは、よく、組織の腐敗や癒着として描かれているんだけど)、案外ソレは、慎重に大局(政治、経済への影響など)を見る上がいたんだという、可能性もあるんじゃないかしら?と思うわけ。だからそうゆう可能性を考えるに、しかし、昨今は、組織体制がクリアになって、それこそ、かつての神のごとき大局を見るトップ官僚が居なくなり(=民主化)、現在は、個々の組織で官僚達が一生懸命仕事をした結果が現在の(郷原氏をして異常と言わしめる)状況なんじゃなかろうかと。つまり、アメリカ型のコンプライアンス社会に変化してきているんだろうなあ。

後、この本を読んで、本当にびっくりしたのは、自分にはメディア・リテラシーなるものが、かけらもなかったということで、わたしは、社保庁も不二やも悪徳集団だと、思っていたのだ。
たぶん、コンプライアンス社会は、「悪者探し」の社会だ。わたしは悪者探しに一喜一憂する衆愚の群れのなかの一人だ。