『宗教化する現代思想』『プライバシーの哲学』(仲正昌樹)

「プライバシー」の哲学 (ソフトバンク新書 053)〈宗教化〉する現代思想 (光文社新書)
宗教化する現代思想仲正昌樹氏の本は前に数冊読んでいて、「あえて暫定的に語らずにおれない(んだろう)学者たちに厳しいんだなあ」と思っていたのだ。で、わたしは読みながら「わかるけど、でも・・」と呟いておりました。ところが、最後のほうへきて、わたしは、やっと、わたしがわかっていない、ということがわかったのです。なんというか、わたしは、仲正氏の、、、学問に対する、透徹した、佇まいに、、上手く言えませんけど、その有様に感動してしまったっ!
さっそく、amazonで仲正氏の本を注文。それらが届くまで、本屋に行って彼の本を探し、
プライバシーの哲学」という本を見っけ。個人情報保護法の騒ぎって意味わからん、と思っていたので、買った。で、面白かった!
著者は「プライバシー権」が立ち現れるための(「ポッブスの戦争状態」のような)物語を(皮肉のような気もするけど)考えてはる。
アダムとイブはリンゴを食べ、ルソーの言う「反省的自我意識」に目覚め、その自己チューぶりは、他人との間に警戒心・緊張感を持たずにはおれず、心を読まれないように苦心する。よって私は、他人の目から隠れ、緊張感から解放される私的な空間と、みんなで疑心暗鬼なりながらも活動している公的な空間とを使い分ける。
そうゆうふうに考えると私的生活圏だけじゃなく、情報的な閉鎖空間もプライバシー権に含むことを説明できる、と。
(・・)反省的自我意識って、哀しい・・。
まあ、でも、プライバシーってそんなもんか、と思う。