「すべての経済はバブルに通じる」(小幡績)

すべての経済はバブルに通じる (光文社新書 363)
面白い。
サブプライムローン証券化に代表されるような(実体経済から遊離した)金融資本主義?について、骨太の骨格(仕組み)を概念的に説明してくれているので、分かった気になる。
もちろん2007年のサブプライムショックの仕組みについて、くわしく解説している。
遙か昔から、「金融資本の自己増殖本能」が手を変え品を変えうみ出してきた、いかがわしいバブルに対して、社会は繰り返し対処療法を行ってきた。もっとも、著者は最後にこう言っている。


今後、多くの識者の議論に反して、実体経済が相対的に力を持つようになり、金融資本の影響力は低下することになる可能性がある。原油高、資源高、穀物高によるインフレ危機が騒がれているが、これはモノの値段が上がっているのではなく、お金の価値が下がっているのである。これこそ、実体そのものである資源や穀物とマネーとの価値の逆転現象であり、金融資本の価値低下、衰退を示している。これが更に進めば、実体経済と金融資本との主客が再び逆転し、本来の姿に戻る可能性がある。
と。