NHKスペシャル「子どもが見えない」

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第2回目の放送に感動。*1
ヤンキー先生こと義家弘介氏が、親の期待に沿い続けることが苦しくなった子どものVTRなどが紹介されるたびに何回となく口にしたコトバ。「それ(教育)は親の夢や期待だから」。彼はそれを子どもたちに向かって言っていると思った。彼には子どもを大人に向き合わせようとする姿勢があるのだと思った。子どもが苦しみや痛みから解放されるためには、親や周りの大人を理解する姿勢が第一歩になるとあたしは思う。義家先生も金森先生も子どもを精神的に成長させようとしている。それは昔懐かしい価値観だと思った。成熟へ向かうことによってしか痛みを越えられない、という鉄則をあたしは思い出した。
義家先生は大人の夢や期待―ソレはつまりその時代の価値観であり親の信念であるわけで―それの方法的な伝達に失敗している、又は世代的な断絶がある大人を非難するより、その親の夢をわかってヤレ、といっているのだと思う。大人を非難しているうちは、批判することによって一時、息をつくことが出来るかもしれないが、苦しみからは出られない。
番組では、こどもに向き合う試みをしているお坊さんが紹介され、それが決して簡単ではないこと、かえって子どもにうざったがられてなかなか結果がでない様子が流される。子どもからは「大人に言いたいこと?そんなこと大人がわかれよ」みたいなメールも届き、最後のほうには、司会者、重松氏、金森氏という年寄りたちがうつむいてシュンとなってしまった。そのとき義家先生はこう言うのである。「少年よ大志を抱け、という言葉がありますが、わたしは大人よ、大志を抱けと言いたいです。子どもに向かってノックし続けましょう!」と。なんて力強い笑顔。