サガン

NHKBS、瀬戸内 寂聴がフランスを旅する。それはフランソワーズ・サガンを偲ぶ旅なのだ。サガンは瀬戸内氏と対談したときに、彼女の出家を「うらやましい」と言ったのだという。瀬戸内氏はサガンの最後を看取ったという親友に「うらやましい」ということばの意味がわかるかと尋ねるのだけど、瀬戸内氏は、ほんとうはすでにその答えを知っていたように思われた。
昔、サガンの育児エッセイ−息子を育てていたときの−本を読んだことがある。しかし、その頃、すでに彼女は体をこわすほど酒や薬をやっていたのではないかと思われる。瀬戸内氏の出家にまつわる物語とサガンの死を待つような物語が重なるようにして綴られていく。「業が深い」ということばがある。彼女たちは何につかまえられていたのか?生きながら死ぬことが出家だという瀬戸内氏。サガンは死の間際まで本のアイディアを書き綴っていた。

追加;
「出家にまつわる物語」と「死に急ぐ物語」が重なるようにして綴られていたのだけど、それにのっかった上でのあたしの臆見を書けば、つまり、彼女たちの孤独な苦しい「生きがたさ」とは−規則に盲目的に従うのではなく−彼女たちは選択してしまったのだということ。又あるいは、「規則に背く規則」に盲目的に従っていること。