「蝉しぐれ」「TAKESHIS'」

蝉しぐれ プレミアム・エディション [DVD]TAKESHIS' [DVD]


蝉しぐれ」こぢんまりとした映画。子役、よかったぁ。役者、みんなよかったぁ。
でもって、三島由紀夫原作の「春の雪」をみたばっかだったし、シェークスピアの「尺には尺を」(あたしは読んだことも見たこともないけど)をブログ*1でよんだばっかだったし、何か面白いなあと思う。
清顕の恋は絶対的権力(天皇)に対抗する。けれど、文四郎とフクの恋は、封建的規範のなかから出ようとしない。そしてどうやら「尺には尺を」は、法に原理主義的に従う人の話、ってことのようだ。
でもって、じゃあ、文四郎とフクの立場を突き詰めると、「尺には・・」の馬鹿げた律法主義者になるのか、と考えれば、やっぱ、なんか違うだろうという気がするのだ。
清顕から甘ったれた空虚なガキって側面が消せないのに反して、文四郎とフクは非常に独立し自律した人間だ。それは、(ずっと前に一体どーゆうことか煩悶した)『生きるNHK』の小野田さんの魅力に通じるのではないかしらと思う。もしかしたら小野田さんは「中野学校」だけに忠実だったのではないか?たぶん、文四郎やフクが藩の殿様に絶対忠実なように。けれど、かれらはそれ以外の権力には立ち向かうはずだ。むしろ、逆説的に清顕と律法主義者は隣接するのではないかしら?
清顕の反逆性は律法主義者のように法に厳格に従うことが前提にあり、小野田さんや文四郎やフクの独立心は自由や美に繋がる・・。とか、とか、なんか、なんか、ヘンな気もするが・・。

TAKASHIS'」「この男凶暴につき」って映画だっけ、あのあたりの映画を茶番にした、ってかんじで、だから笑劇だろうさ、とおもうけど、最後にはやっぱり、もの悲しいのです。