庶民の文化

競争店の偵察に両隣の町、K市とO市へ行く。K市まで160キロのドライブ。もう一方は100キロ。偵察の結果はまあ省くとして、二つの街の中心街が寂れていて、あたしはあっと驚いた。
もちろんあたしが住む町だって、かつての中心街の凋落はすざましく、大型店が出店した地域に活気が移っている。けれど、それを他の街で目の当たりにすると、事の不思議さに呆然となる。

けったいで巨大なショッピングモールの建物や広大な駐車場は緑に囲まれ、回りにはネオンサインが派手な店が増えていく。病院や銀行や老人ホームも新たに出来、ある意味でコンパクトなこれが今の、我が町の町並みなのだ。

聞きかじりだけど、政府が言うコンパクトな町作りとは、つまり、かつてのデパートと駅を中心に発展した町のこと?(そこを守ろう、って?)
あたしの住む町では、駅とデパート中心の繁華街が、大型スーパーマーッケトを中心に発展した地域に喰われて、寂れている。このショッピングモール風の大型店は、自動車に便利で、中毒的に安い!その安さは、ある意味、格差を見えにくくする。あたしはこの栄枯盛衰に文句はない。

けれど、(地域の事情や経済的ニーズに敏感である)大型店にとっても(今は、庶民の文化を一手に担っている感があるが)、小回りが利くわけではないし、キッチュな町並みも栄枯盛衰の理が訪れる。いつかね。