エリ・エリ・レマ・サバクタニ(青山真治監督)

エリ・エリ・レマ・サバクタニ 通常版 [DVD]
ネタバレあり
あたしの琴線はピクリともせず・・。
ただ、最後のほう、羽がでてきてフワフワ雪が降り、これはやっぱ「恩寵」という言葉が浮かぶわけで。そうなると監督の頭にはシモーヌ・ヴェイユがあったんじゃないかと思え、(どっかに埋もれているはずの『重力と恩寵』を探したけど見つからない)。
だけどさ、なんであの女の子に恩寵なんだい?彼女は「意味がない」という意味にまだ満たされているんではないの?大音量の音で「真空」になるの?(って、絡みたくもなる)。
たとえばあたしは「元気よく生きる」って決めたからね。でも、「意味(=物語)」の中に生きてるってことじゃ、同じ穴の狢さ。で、「ミリオンダラー・ベイビー」って映画があった。あのヒロインの最後を思い出すと、なんていうか彼女は神を求めていない、ってイメージがある。(あんまりにも恐ろしい映画でよく憶えていないんだけど)、いやなんか錯綜してっけど、つまり、この映画はミリオンダラー・ベイビーのヒロインとか第三世界の貧困とか、ちょっとそゆうものをあてがうだけで、からはらと崩れ去りそうだよ・・。
神ってさ、あんな甘ったれに恩寵をもたらすのかい・・ってあたしはびっくりしたのさ。いや、仕事で疲れているのからかもしれないけどなんか腹がたつんだよね。現代人が(食うには困らず)虚無という「意味」の中でだっらーとしていたいってんなら、ほんとしねばあ、滅亡すればいいんだ、ってのがこの映画の(意に反しての)感想。・・・なんつうか、あの女の子が救いを拒絶する、ってなシチュエーションの中からしか「恩寵」なんてものは見えてこないのではないかとふとおもうよ。
ほんと、一生懸命作った映画だろうに楽しまなくてごめんね。