「カナリヤ」「こわれゆく世界の中で」「パフューム」

カナリア [DVD]
こわれゆく世界の中で [DVD]
パフューム スタンダード・エディション [DVD]


パフューム」なんとなく嫌だな、と思ってスルーしていたら夫が借りてきた。主人公の俳優がすごい。すごい。
この映画は、(一冊の本を読んだだけの生半可知識に基づけば)、ジャンル的には「ノワール」な物語の裏ヴァージョン的ロマンチック「恐怖(怪物)映画(=異常な欲望の物語)」の流れをくむ、ってとこかな。主人公はパリの路地裏で果物売りの女と出会う。彼女はいわゆる「宿命の女」である。この出会いが彼にもたらした喪失感。この哀しみ(=欲望)はなぜか、気高さをあわせもつようで、心に残る。現代でもファム・ファタールって題材は力があるんだなあ。
カナリヤ」わたしは「オウム事件」をリアルタイムで知っているわけで、いろいろ衝撃も受けながら見終わったさ。でもって、ネットで出演俳優を検索していて、この映画の感想を見つけ、仰天!というのも、「オウム事件」について聞いてはいるけど、実際にはまったく知らない、という世代が出現していることに、あたしはまったく気がついていなかったのと、そうゆう世代がこの映画から微塵も「深刻さ」をくみ取っていないことに衝撃を受けたわけで。彼らによると、オウム事件は「イケテナイおたくとブスが引き起こした事件」ということになるらしい。将来を嘱望されたエリートやどうしてこんな美人がというような・ま・と・も・な若者たちが、「超越」を渇望した宗教的集団にはまっていったわけで、そうゆう彼らが引き起こした大事件だった、というような、どっしょうもない心に迫ってくる闇の部分に関してはすっかり、いまや、すでにすっからかんに抜け落ちている、んではないかとあたしはおもった次第。
映画って難しいんだあ。だって、この映画が説明不足だったなんてちっとも思わず見てたしねえ。

こわれゆく世界の中で」ジュリエット・ビノッシュってすきじゃないけど、この映画の彼女はものすごく可愛い。