8時間


汽車で、片道、4時間、かけて、日帰りで、道立近代美術館に「レオナール・フジタ展」を見に行った。夫の案である。もっとも、帰り着いたときは、日付が変わっていたけど。

藤田嗣治を日本美術界が結果追い出したとか、そのへんのスキャンダラスな模様は聞きかじっていたけど、やっぱり(浮世絵画家を別にすれば)、この人がこの人だけが世界で有名になったというのは、「アーシュ・メカニック」という子どもを描いた絵と白い裸婦画をみて、(なるほど、前に、日本美術のかつての重鎮といわれる光が溢れるイナカクサイ油絵を前にして、センスが溢れる光を恋しく思うあまりによろめいて、展示室をすぐにでも出たくなったことがある)あたしとしては、納得するつもりにはなれたのである。

この展示会では、foujitaの「群像」と最晩年の教会の壁画を発掘したというのがメインなのだけど、残念ながら、あたしは、これらは好きじゃないし、残念ながら、彼の優れた作品はたぶん、外国や外国の個人が持っているんだろうな。