「贋作者」

昨日、劇団千年王国(演出 橋口幸絵)の公演を見に行ってきた。

お話は、時代背景は(パンフには名前しか載ってないし)今一つ、わからなくて、
タウトの名前が出てきたと思うし、鹿鳴館のパーティらしき話題もあったし、
草分け的な女性新聞記者も出てきたし、でも、1800年代後半が妥当かな・・・?

でもって、主人公の贋次郎は浮世絵師で贋作を作っていて、兄の清一郎は狩野派?の伝統を継承しようとしていて、あれやこれや、っつう。

でも、「アウラ」なんてこと考えると、狩野派って、晩年は職業絵師集団で個人の芸術的表出はno!だったし、そうすると、贋作者と伝統芸術との対立ってのも、なんか、わからんくなるし。

でもあたしとしては、「シミュラクル」の真っただ中で苦闘する贋次郎をみながら、江藤淳の「戦後の日本人は豊かになりたかっただけじゃないか」という言葉を思い出しました。
そう、多くの庶民は、日本の文化伝統に縛られようが、それが破壊されようが、あたしのように、あっけらかんと(「動物化」)、生きてきたんだよな、と。

清一郎という役に、凄みのようなものがあれば、もっと、深みのある劇になったんじゃないかなあ、とか思ったよ。

あと、演出も舞台美術もかっこよかった!役者もみんな上手かった。よかった。特に、主役の立川佳吾に魅力があって、最後までひっぱられた。(地方劇団の公演で)、役者の名前を検索したのは始めて。スターって大事だよな、とかおもう。まあ、劇団的エリート意識は、そうゆうもの認めないんだろうけど。