乾いて冷たい無根拠の手触りに怯えたのは11才のときでした

「生きるってなんだろう?」と友人が言いました。
彼女はずっと苦しんできました。子どもができないのです。子どもが出来ないことを苦にしない人もいますが、友人が苦しむのは、「結婚して子供を産むのが女の道!」みたいに思っている人だからです。
彼女がその手の社会的な規範に縛られていればいるほど、彼女は自分の人生を無意味で虚しいものに感じます。
「ねえ、わたしには生きる価値がないの。」と彼女に言わさしめる社会的な規範とは一体なんでしょう。けれどだからといって、もし、彼女を苦しめる社会的な規範を逆転したとしても、今度は別の立場の人が苦しむことになってしまいます。
知識人や学者さんは、学問上の立場や現状認識の立ち位置やらから戦略的にいろいろなことを教えてくれるでしょう。素人が考えつくようなことはすべてお見通しの人たちです。が、彼らの戦略的な文脈を見失うと、せっかくの宝の言葉も役にたたなくなってしまいます。