メモ

教養/自由

charis氏(charisの美学日誌)の8/4付けから始まる一連の書評(タイトル、「濱口桂一郎『新しい労働社会』」)、及び、そのやり取りが興味深い。濱口桂一郎という学者さんのブログを読むと、経済的利害関係的にばっさばっさと切れ味鋭く分析なさっていて、…

柳沢大臣の失言、のまわり

小田嶋隆氏*1が「女性は子供を産む機械」「結婚・子2人は健全」発言について(意外にも2回も)コメントしていて興味深かった。(笑 柳沢大臣の(顔を見ているとなんだか気の毒になっちゃう)この騒動が紛糾しているんだとすれば、というかそもそも「少子化…

「問われる教師」とはなんぞや?

フーコーが規律訓練型の装置として学校、病院、軍隊についていっていて、このなじみ深い学校や病院の制度が壊れかけているのかなとおもう。 教師や医師(にそなわっていただろう)、その目に見えぬ権威を意識するとき、自発的に自分を律する内面が生まれる(…

天皇制と聖性

ここを読んだ。*1天皇家に男の子が生まれて皇室典範の改正が中止(延期?)になったとゆうニュースに、あたしはがっかり・・。 思うに、天皇制は(国家の成立から考えれば)、国家権力が人心掌握のために(国民が「法」にたいして権威や敬意を抱く)政治の道…

よく生きる/天皇制(3)

ビデオニュース*1で『なぜ女性・女系天皇は天皇制の根幹に関わる問題なのか』 というのをやっていた。 百地章氏はつまり「聖性としての天皇」という伝統が女系天皇になると憲法上、問題が生じるといってるんかな?でもって宮台氏は、国としての統一を「聖性…

天皇制(2)

昭和天皇が死んでしまったのだし、あたしは「天皇制」でもかまわないかな、くらいに思っていた。いま、「天皇制」を移行する必然というのがあたしはわからなかった。でも、雅子さんの病気や皇太子さんの発言や、そして<ともさん>の側室大賛成発言、そしてc…

天皇制(1)

実は、「<ともさん>の側室大賛成」発言はあったまにきた。*1あんまり腹が立ったので何も言うまいと決めたほどだ。 <ともさん>は、「形式的」に考えておられ、「善い悪い」とか、心情的なレベルでの批判には「そういう文学方面はあまり研究していないので…

裁判員制度フォーラム

夫に誘われて「裁判員制度フォーラム」へ行ってきた。 この集まりは最初の一時間近くを使って裁判がどのように行われているか、ドラマ仕立てのビデオが上映され、その後、パネル−ディスカッション。なんつうか、裁判員制度や問題について考えようとか、そう…

ああ、国民国家の馬鹿らしさ

「タッチ・オブ・スパイス」はギリシャ映画らしい。この物語の背景はキプロス島をめぐるトルコとギリシャの紛争。「やさしい嘘」は、民主化したものの経済の建て直しが上手くいってないグルジア。こんな貧しい東欧の国から志を持った人が西欧先進国へ不法に…

アイデンティティ

ここを*1感動しながら読んだ。このまえTVが「9.11の日本人犠牲者」というのを放送していた。とても印象的だったのは、かなり多くの遺族のかたがたが日本政府に不満をもっていたことだ。根本的には、公的な慰霊に準ずる何かを欲しているのではないかとわたし…

葡萄園の労働者

ここを読んで連想したこと。*1むかし、5才と11才の息子たちが仕事を手伝ってくれたので、お小遣いをあげたことがあった。兄のほうは役に立ったけど、弟は、ほとんど遊んでいた。あのときあたしは二人におんなじだけのお小遣いをあげた。どうしてそうした…

電気羊のあたしは貧しい夢をみていた

考えてたんだ・・。「罪」も「歴史」もあたしの中にしか存在しない(4/29)、あたしは「しつけ」の名のもと、何に迎合し何を下支えしたのか(4/27)これはつまりあたしは懸命に「外」の世界に気がつこうとしているわけだ。ここであたしが、「外」の世界であると…

あたしもぶん殴ったなあ

アメリカでは年間、2000人ほどが児童虐待で死んでいるんだぁ。虐待の原因は複合的なんだろうしあたしにはわからないけど、いつも気になることがある。虐待した親が「これはしつけだ」と言い張ることが多いって話し。日本における「しつけ」という感性は…

ヘビの環節とモグラの巣穴

ised議事録*1を楽しみにして読んでいる。管理機構をその黎明期においてとらえる社会・技術的な研究は、範疇論となり、万人がその危機を告げているような規律型の監禁環境にかわってできあがりつつあるものを描写しなければならないだろう。とドゥルーズが9…

限界からの逃避

下の続き。http://d.hatena.ne.jp/eco1/20050330さんとこのリンクを通してArchives - 内田樹の研究室を読む。あたし、苅谷剛彦氏の『階層化日本と教育危機-不平等再生産から意欲格差社会へ-』という本を読んでなかった。面白そうだ。 苅谷さんは97年の統計に…

「ゆとり教育」を考える

「ゆとり教育−評価しないが65%」 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/news/20050328ddm001040048000c.htmlというのにでくわす。息子二人の歳が離れているせいで、90年から2004年の間、小中学校にお世話になった。上のこどもの在学時は「ゆと…

夢見がちなハローワーク

『13才のハローワーク』を立ち読みして、この本は「多様な自己実現」の勧めなんだ、と思い、村上龍は偉い人だなあ、と思ったりしていた。 仕事にアイデンティファイできない、意味や価値を見いだせないからこそ、「好きなこと」というキーワードがでてくる…

『軍事組織とジェンダー―自衛隊の女性たち』

という本を書いた佐藤文香氏は、 7.8年前(id:master2010氏が当時運営していた)「男と女の掲示板」で話しをした人じゃなかろうか。当時あたし(noaaつうハンドルでしたなあ)は、(普通の女の生きる術ってものを掲げて)、はなしに乱入したのでした・・…

あれやそれや

『ビジネス倫理学』を読みはじめた。わーお。いい本だあ!今年、夫がもらってきたチョコは薄っぺらな高級チョコばっかだった。年寄り用義理チョコ・・っだな。

受動意識仮説に基づく心のモデル

charis氏のとこを読んで、「ロボットの心の作り方*1」を読む。「受動意識仮説に基づく心のモデル」はとてもエキサイティング。なんだかすぐにでも実現されそうでわくわくする。けれど、あたしは読めば読むほどわけがわからなくなっちまうのも確かで、ちょい…

あたしを掴まえうち砕いたのはあたしだ

雅子妃がTVに写っていた。可哀相だなあ・・。雅子妃は仕事を奪われたのだなあと(素人考えだけど)そう思う。あたしは19才のころ神経をやられて苦しんだことがある。夫の気遣いや友達の助けがどれほど救いになってもあたしは楽になれなかった。粉々になっ…

わたしは彼女の問いに答えなければならなかった

「ねえ、子供を持つってどんなふうに感じるの?」「こどものかけがえのなさみたいなものって、ほらさ、ペットにいだくものとおなじだよ。」背を真っ直ぐにし、彼女は意地悪そうな目をして「じゃあ、ちょうだい。あなたのTかRをちょうだい。あなたには2人も…

乾いて冷たい無根拠の手触りに怯えたのは11才のときでした

「生きるってなんだろう?」と友人が言いました。 彼女はずっと苦しんできました。子どもができないのです。子どもが出来ないことを苦にしない人もいますが、友人が苦しむのは、「結婚して子供を産むのが女の道!」みたいに思っている人だからです。 彼女が…

性差

「性差」という「虚無」に人はいっしょうけんめい建物を建てる。 みなそこに信念を持って家を建てるだろう。*1それらの家は多種多様で、ある人は母性を謳歌し、ある人はゲイパレードに参加し、ある人は遠吠えをするかもしれない。 現状認識(戦略)によって…

他者を愛せよ!

フーコーに「汚辱に塗れた人々の生」という文章がある。これを読むと「他者を愛せよ」という言葉を思い出す。それは驚きの表情のコギト。 こうした事件*1を引き起こした青少年の哀れな魂は社会にうまく参加できず、家族の良識や熱心さが彼らを追いつめる。次…

解決不可能性を維持すること

たとえば、こんな話しがある。ある日、(夫+子持ち)の彼女に好条件の仕事のオファーがあった。喜ぶ彼女に義父は言った。「乳飲み子がいるんだ。仕事をしてはいけない。」もし彼女が義父の言うことを受け入れるなら、その心理的、信条的な背景はこんな風に…

ああ!結婚

昔、あたしは女性の賃金が男性より高くなればいろんな問題が解決すると思っていた(ほら、こういうものの見方ってあるしょ?)。 そいでもって「通い婚」―経済的に自立している女の家庭に男が通うわけ―なんてことを想像して喜んでいたんだけど、どうも現実は…

女は男の症候である

ここ*1を読む。 「出産原理主義」によって描かれる「肉のかたまりである女」が男の「症候」ならば、それを熱心に肯定する女とはむしろ男に対する見当違いの愛を振りまいているのかもしれない。 思想的対立というのは、つまるところ、反人間主義的エコ的調和…

ウェブログを読む楽しみ

あたしの知性や教養は中学程度のものだ。得手勝手な弁解をすると、子どもの頃は「テストで勝ち上がっていけばいいんだ」くらいの処世術しかもっておらず、 高校1年のとき友人から「男社会」の仕組みを解説されどっかがちょんぎれちゃったんである。(付け加…

申し訳なさ

ここ*1を読んだ。あたしの10/13日分の「申し訳なさ」をもちょっと煮詰めてみる。 たとえば、集英社への抗議―に日本兵の子孫や遺族の傷心(やり切れなさ)をみれば、「近代」と「反近代」というイデオロギー的対立のはなしを思い出す。「近代の超克」について…