「キャスティング・ディレクター」(1)
「ホワイト・ライズ」「アシッドハウス」「キャスティング・ディレクター」「ピーター・セラーズの愛し方」
「ホワイト・ライズ」はポール・マクギガン監督。この人のモンタージュのセンスが並じゃないつうか、好きなセンスだっつうか、で、他の作品も探してみてみた。「アシッドハウス」、これで有名になったらしい。いいィ!この監督、すきだ。
「キャスティング・ディレクター」、エディは何に葛藤し悩んでいるのか?出来事だけを追えば、エディは「俺をほんとうに愛してくれ」とダーリーンに求めているのだがかなわない。エディのシニカルな親友にしろ、ダーリーンにしろ、自分の感情になんかかまけていない。それは、生き馬の目を抜くハリウッドで、自分の感情なんて大事にしていたら生きていけないから(ここは推測でし、あたしの)。というわけで、エディは、「ほんとう」を求めながら、何が「ほんとう」か分からないし、どう感じればいいのかさえわからなくなっている・・。彼の目には、常識的な思いやりさえ汚いものにうつっている。そうやって(ふわふわと、もしくはアイロニカルに)関係をやり過ごすこと自体が彼を苦しめているのだから。見ていて胸が痛くなるのだけど、この映画のラストは優しい。少女は言う、「ほら、いま、通じ合ったわ。」と。