『搾取される若者たち―バイク便ライダーは見た!』(阿部真大)

搾取される若者たち ―バイク便ライダーは見た! (集英社新書)
面白くて一気に読んだよ。面白かった。

ただ、一つ二つ、気にかかるとこが。「『13歳のハローワーク』に代表されるような無責任な自己実現を促す職業教育が問題」である、というところと、危険なワーカホリックに陥るバイク便ライダーが「好きなことで死ぬ、というヒロイックな物語で意味づけ」をしているというところ。

あたしはさ、好きな事や夢を仕事にしたことがない。でもね、やだやだやだやだやだ仕事っておもっていても、いざ、職場に行くと夢中になって働いちゃうわけです。サービス残業もなんのその、(酒を飲んでいるはずがのまれているみたいな)仕事にのまれるちゅうか、いわゆるりっぱなワーカーホリックに陥るタイプです。だからね、そうゆうあたしからみると、仕事って辛いものです。そりゃあ、悲喜こもごもなんだけど、ヒトコトでいえば、逃れられないのも。
だからね、どうせ逃れられないなら好きな仕事に挑め、ってのはさ道理でしょ?「好きなことで死ぬ、という意味づけ」は、だから、ライダーの「信念」だとおもったよ。価値観、もしくは倫理であって、それが自分自身を叱咤激励してくれる。慰めてもくれる。
(ホワイトカラーのヒルズ族のような)お金をもうける力がない(からそーなるのだろうけど)、金儲けというプラグマティックな価値観にりっぱに対抗する、(自称、ブルーワーカーで負け組のライダーの)信念なわけですよ。とあたしはおもった。
なんつうか、『13歳のハローワーク』的、好きなことを仕事にすることは悪い事じゃない。「好きなことで苦労する」という信念も悪くない。問題は、その後のスキルの磨き方とか経歴の積み方とかであって、あと、労働衛生管理つうかなんかそんなのほうの・・なんでも政治政策の問題にしちゃいけないのかもしれないけど・・。
ただ、あたしの「好きなことを仕事に」ってことが価値観や倫理観につながる、って感覚はいい加減、古っちいのかもなあ・・。でもさくどいけど、その弊害でいわれてることって、なんか、ずれてるような気がするんだよねえ。