「17歳の肖像」

どうしてこんな題名つけるかなあ。大人の映画なのに。
原題は「An Education」。英国では有名なジャーナリストのリン・バーバーの回想録が原作。
ほんとに良い映画だった。

年老いてから、初めての恋人を振り返るというのは、こうゆうことなんだなあ、と思う。
それは、当人(高校生)にとって、ある意味、革新でロマン主義的な出来事で、けれど、その幼さと愚かさは身につまされる。

後半の、主人公と女教師たちとのやり取りは、わたしにとって圧巻。
「大学に行ったって、死んだような人生だわ。」胸が詰まる。
1961年、主人公とって、周りのお手本になる女性たちは、どれだけ優秀であっても、退屈そうに見える教師か公務員であり、彼女は、勉学で勝ち上がってゆく意味を見失ってしまう。それも絶望的に。

ラストは、切なさがこみ上げてくる。
それは、なんなんだろう・・。
たぶん、ここで初めて、わたしは、「17歳の肖像」という題名のねらい通り、なかったはずの甘ったるい青春ドラマにノスタルジーを感じたのかもしれない。