『日本人の目玉』(1)福田和也

おもしろかったとおもう。なんつうか戦争とか革命とか日常がぶっこわれたような時期を生きた、知っている偉人たちを通して、(いや、というより)、彼ら偉人たちが、人間存在の構造とか、認識の仕組みとか、・・・とかいうような「はじまりの力(のようなもの)」をどのように見つめようとしていたのか、そこらへんに迫ろうとした本、、?


「感想」は小林のダイモンを最も素直に露呈させている作品であるといっていいだろう。ダイモンは、云う迄もなく、古代ギリシャでの死者の魂や悪霊などへの働きかけを指し、そこから偶然の背後にある必然をつかさどる力と解されるものだが、「最後の弁明」をはじめとするプラトンソクラテス対話篇の中でしばしば、ソクラテスの思考を律し、導いていく力として言及されている。

読んでいくうちもしかしたら小林秀雄という人は映画について何か言っているのじゃないかと期待したけどでてこーへんかった。

ここの2005-10-08読んでこの本をしったのだけど、いままでうすーくやりすごしてきた川端康成ってものにここでひっかけられる。


夫婦となり、親子兄弟となれば、つまらん相手でも、さうたやすく絆は断ち難く、あきらめて共に暮らさねばならない。おまけに人それぞれの我といふやつを持っている。それよりも、動物の生命や生態をおもちゃにして、一つの理想の鋳型を目標と定め、人工的に、畸形的に育てている方が、悲しい純潔であり、神のような爽やかさがあると思ふのだ。
なんだかあたし、ちぢんでない?なんだかあたしちぢんじゃったような気がする。