「憲法と平和を問いなおす」長谷部恭男

憲法と平和を問いなおす (ちくま新書)

「え。どーして、こんな言葉(民主主義、多数決、立憲主義・・)から説明してゆくんだろ?」と不思議に思いながら読み始めた。*1
ところがそれが最後には実にクリアにまとめられてゆく。わーお。
あたしなりにまとめとくと、「立憲主義憲法」は、「調整」の為にあって、そのときの枠組みやその力の限界を決めているものだ、ってことかな。なんつうか、聖徳太子以来の「交渉」とか「和」とか、そうゆう概念に近いのじゃないかなあ、と思い、でも、その徹底ぶりにあたしはだんだん「馬鹿馬鹿しい!」とかおもい、そうしたら、「人権や個人の尊重という観念の意味まで相対化させられて」云々と書いてあって、ほんとに隅々まで行き届いた人である。

だけど、あたしはやっぱり、「アンティゴネの気持ちが分かるよ。」ってな気がしてならないわけで、それはつまり、アンティゴネ的な力は「調整の枠組み」を二度、四度と、相対化し返してしまうのだと・・なんてちょっとおもった。*2

*1:憲法と平和を問いなおすの通販/長谷部 恭男 ちくま新書 - 紙の本:honto本の通販ストア

*2:あたしのトンチキな感想もちょっとあんまりだと(9条を変えない方がイイとあたしもおもうので)、ここに正当な書評が書かれているブログへリンクをはっときます。2006-04-07